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【ゲーム感想】バルダーズ・ゲート3

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広大なフィールドを探索しながら物語を進める、ダンジョンズ&ドラゴンズというTRPGテイストのRPG

寄生生物を脳に埋め込まれたプレイヤーは、同じ境遇の仲間とともに治療法を探すべく世界各地を巡る、というストーリー。

運要素が絡むあらゆる箇所でダイスロールを使用しており、TPRG要素が垣間見えるのが特徴。
また物語を進める上で、会話での選択肢や問題を解決するためのアクションに複数選択肢が存在し、その結果もプレイヤーの行動次第で変化するという、凄まじく自由度の高いゲームとなっている。

戦闘システムはターン制のコマンドバトル系だが、キャラクターの位置取り、行動順、呪文を打つ位置などがかなり重要になっており、戦術性が高い戦闘が楽しめる。
なおここでもダイスロール要素が存在し、ダメージの値、アクション成功判定などはダイスロールの値で決められている。(なのでダメージ値の幅はかなり広め)

グラフィックはフォトリアル調の美麗な3Dグラフィックで、2023年基準でも十分なクオリティ。

プレイ時間

60時間ほど。恐らく第1章の終盤くらいまで

良かった点

自由度の高さ

先述の通り、1つの問題に対して複数の解決方法があり、それを自分のやりたいように選択できるのが面白い。
できるだけ他者を傷つけたくなければ「説得」「威圧」「ペテン」の選択肢を選んで戦闘を回避することもできるし、気に入らないやつは片っ端から殺しても問題ない。(ただしその勢力と敵対する覚悟は必要)
一応仲間からの評価というシステムがあるので、なかなか非人道的な行為はやりにくいようにはなっているが、気に入らない仲間は追い出すこともできる。
このような妙にリアリティのある自由度の高さが、他のゲームでは見たことのないこのゲームの良さとなっている。

戦闘の奥深さ・アクションの多様さ

移動してアクションを選択するだけのシンプルな戦闘システムだが、これが意外と奥深くて面白い。
近接攻撃や呪文での攻撃以外にも様々なアクションを行うことができ、これをうまく使うことが重要になってくる。
例えば「脂」の呪文で敵を転ばしたり、「投げ」でアイテムや武器を投げたり、「突き飛ばし」で敵を高所から突き落としたり…と攻撃以外にも色々なことができるのが戦闘の戦術性を増している。
一部のクラスでは召喚呪文や動物への変身も使えるため本当にいろいろなことができて面白い。
さらにこれらの呪文は戦闘外でも使用できるため、先述の自由度の高さにも一役買っている。

マルチプレイが面白い

RPGというジャンルでストーリーを進めるマルチプレイが面白いのは衝撃だった。
クラスや使用できる呪文に個性を出すことでき、パーティーの一員として自分の役割をまっとうするのが楽しい。
また、プレイ済みのルートであっても違う解決方法を試してみたり、違う結末を迎えてみたりと、ソロプレイ時とはまた違った楽しみ方ができるのが魅力だと感じた。

気になった点

ゲームシステムと用語の分かりにくさ

今作はTRPG要素が含まれたゲームということもあって、ゲームシステムや用語に分かりにくいものが多く、慣れるまで面白さを感じにくい。
さらに、キャラメイクやレベルアップの段階でクラスや呪文を選択するが、どの選択がどういう使用感なのか全く想像が付かないため、もう少しシステムの説明が親切だとなおよかった。

UIの不便さ

もはや外国産ゲームあるあるなのか、インベントリUIが不便で分かりづらい。
全てのアイテムがキャラクターごとにグリッドで並んでおり、どこに何があるのか、いらないアイテムはどれなのかが分かりづらい。
他のUIも全体的にクセが強めで、慣れるまで操作が難しく感じた。
コントローラー操作でのプレイだったため、マウス操作だとまた違った感想になるかもしれない。(コントローラーとマウスでUIも大きく変わる)

世界観、ストーリーの分かりにくさ

寄生生物を脳に埋め込まれたのでその解決方法を探すために旅をする、というストーリーに入り込むのがなかなか難しい。世界観も日本では馴染みのないものが多く、海外向けという感じが否めない。
キャラクターのセリフもピンと来ないものが多く、やはり日本人が物語や世界観に入り込むのは難しいように感じた。

総評

ストーリーや世界観に入り込むのは難しいが、それでも自由度の高さや戦闘を奥深さでロールプレイを存分に楽しめる。
ボリュームも十分にあり、マップを隅々まで探索したら100時間や200時間では収まらないレベル。
ロールプレイングゲーム”とはこうあるべきという理想を感じた、GOTYに相応しい作品。

【個人的評価】93