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【ゲーム感想】ピクミン4

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ピクミン」という不思議な生物な力を借りて未知の星で困難に挑む『ピクミン』シリーズの4作品目。

今作では、オリマーオリマーを救助しにいったレスキュー隊たちが未知の星で遭難したことから始まり、新人レスキュー隊である主人公が全ての遭難者を救助することが目的となる。

遭難者を探すためにはこれまでのシリーズ同様、未知の星で出逢う「ピクミン」の力を借りることになるが、今作ではさらに「オッチン」という宇宙犬が新たに登場となっている。
オッチンは非常に強力で、原生生物を攻撃したり、ものを運んだりはもちろん、背中に乗って移動を快適にしたり、操作を切り替えてもう一人の主人公として動くことも可能になっている。
ピクミン2』『ピクミン3』では複数のキャラクターを切り替えて攻略する場面も多くあったが、今作では主人公は1人の代わりにオッチンがいる、という仕様になっている。

捜索するのは遭難者だけではなく、『ピクミン2』と同様、オタカラを探して集めるのもメインの目標になっている。これは、次のエリアへ捜索範囲を広げるためにエネルギーが必要であり、そのエネルギーはオタカラから抽出できる、という設定となっているためである。
また、オタカラだけでなく地下での探索も『ピクミン2』以来の復活となっており、捜索できるエリア、集める対象ともに過去最高のボリュームとなっている。

ピクミンも登場しており、様々なものを凍らせることができる氷ピクミン、「夜の探索」時に登場するヒカリピクミンが新たに登場している。
そして今作では、これまでのシリーズで登場した全ピクミンが登場し、全9種類のピクミンとともに探索を行うことになる。

プレイ時間

50時間ほど。
ストーリークリア、全オタカラ回収、全チャレンジプラチナ、全サイドミッションクリアまで。

良かった点

オッチン

オッチンはとても便利で頼もしい存在なため、ライトユーザー層にとってもかなり遊びやすいゲームになったように感じた。また、単なるライトユーザーへの救済要素に留まらず、オッチンを100%活かすこともまた難しいため、ゲーマー層にとってもやりごたえのあるゲームにまとまっている印象だった。
この、カジュアルに遊びやすくしつつゲーマー層にも満足できるようになっている点でオッチンの存在は素晴らしいと思った。
(ただし気になる点でもあるので後述)

ガーリップ

今作では従来作と違って、ピクミンを地上に出せる数はデフォルトで20匹となっており、上限を増やすにはエリアの各地にあるガーリップというものを集める必要がある。
これが「嬉しい報酬」かつ「能力アップ」かつ「難易度上昇」になっており、連れ歩ける数が増える=できることが増えて選択肢が増える、ということになるため、まさに一石三鳥の仕様だなと感じた。

オリマー遭難記

ストーリーをある程度まで進めるとオリマー遭難記というモードがプレイできる。
このモードはオリマーピクミンたちと出会い、宇宙船のパーツを集めるまでを追体験できるモードで、制限日数内で宇宙船のパーツを集める必要があることから『ピクミン1』の再現となっていて面白かった。

気になった点

オッチン

オッチンは頼もしい存在であるが、その頼もしさ故にピクミン以上に目立っており、タイトルが『ピクミン』なだけにコンセプトがぶれてしまっているのではないかと感じてしまった。
1匹では非力なピクミンをうまく采配して攻略するのが『ピクミン』の醍醐味(だと勝手に思っている)ので、オッチンが登場したことでピクミンがメインのゲームではなかったのか、という気持ちになった。
オッチンもピクミンの一種だったらよかったのかもしれない。

夜の探索

通常の昼の探索とは別に「夜の探索」という要素があり、拠点を襲ってくる原生生物を一定時間守ることで、救出した葉っぱ人を人間に戻せる、という仕様。
夜も探索できる、というキャッチーさとヒカリピクミンという新しいピクミンの登場先として用意された要素に感じたが、これが昼の探索などの他の仕様とは切り離された仕様になってしまっているため、ストーリー進行のためにやらされている感覚がかなり強かった。

  • 夜の探索といいつつ自由に何かできるわけではなく、原生生物から一定時間拠点を守れたか守れなかったかというだけのゲーム性
  • 夜の探索で得たものを昼の探索で活かせる、という場面がほとんどない
  • ストーリー進行のためには一定回数やる必要がある

上記の理由からやはり少し期待外れに感じてしまった。

引き出せるピクミンの色の上限

一度に引き出せるピクミンの色の上限は3種類であり(洞窟はこれに限らない)そもそもそれ以上のピクミンが必要な場面が存在しない。
よって難易度はある程度低めになっている。
個人的には、せっかく9種類ものピクミンが登場しているので全員引き連れて歩きたいし、もうちょっといろんな色のピクミンを一度に使うようなギミックがあってもいいなと感じた。

細かい難易度調整・レベルデザイン

細かい点で、難易度やレベルデザインのバランスが微妙に感じるところがあった。
・各エリアの広さが全て同じに感じた
・地下エリアの深さがなぜか前半エリアのマップのものが一番深い
・後半エリアの難易度の物足りなさ
・葉っぱ仙人のチャレンジも後半より前半の方が難しい
総じて、難易度が上がっている感じがかなり薄かった。(ボス戦では序盤の方が連れ歩けるピクミンが少ない分難易度が高く感じたところも多かった)

総評

過去最高のボリューム、遊びやすさでライトユーザーでも取っつきやすくなったシリーズ最高傑作。
過去作にあったようなシビアさは薄れてしまったが、それでもピクミンをやったことない人、ピクミン全部遊んできた人、ダンドリよく何か進めるのが好きな人すべてにおすすめできる作品。

【個人的評価】90