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シミュレーションRPG、ファイヤーエムブレムシリーズの最新作。
(以後、FEと表記)
ゲームシステムとしては、ワールドマップで章を選択、イベントシーンを見る、戦闘、という流れを繰り返しながら進んでいく。
今作では前作「風花雪月」にあったようなストーリー分岐はなくほぼ一本道でストーリーが展開されていき、章を進めるごとに徐々に仲間のキャラクターが増えていく、という流れになっている。
戦闘システムは基本的には従来のFEと同じだが、今作ではエンゲージというシステムが目玉として追加されている。戦闘中に過去のFEキャラクターとエンゲージすることによって力を借りることができ、3ターンの間キャラクターが強化される、といった仕様になっている。
プレイ時間
40時間ほど。特にレベル上げはせず、ひたすらストーリーを追うようにプレイ。
(難易度ノーマル、カジュアル)
良かった点
過去のFEキャラクターが登場
FEは前作の「風花雪月」しかやっておらず、それ以外のキャラクターはスマブラなどでの知識しかないのだが、それでもテンションは上がったし、過去作を全てプレイしている人にとってはかなり嬉しい要素のように思えた。
エンゲージシステム
キャラクターそれぞれに過去のFEキャラクターが宿った指輪を装備することによってそのキャラクターとエンゲージが可能になるのだが、これが深い戦略性を生みだしていて、どのキャラクター同士を組み合わせるかを考えるのがすごく面白かった。
また、自分の中で勝手にカップリングを想像したりと、いいロールプレイ要素になっているなと感じた。
ストーリー
ストーリーに関してはかなり否定的な意見も多いが、自分は最終的には面白かったと感じた。
確かに序盤の展開では主人公に感情移入できなかったり、演出的に稚拙と感じる部分もあったが、終盤に向けて徐々に盛り上がっていき、最後の方は感動的な展開もあってかなりよかった。
特に主人公の出自にまつわる話がとてもよくて、本当にいい設定だなと思った。
気になった点
仲間になるキャラクターの数
仲間になるキャラクターが多すぎるのが気になった。
最終的に30人以上のキャラクターが仲間になるが、それぞれの深掘りも薄めなので愛着を持ちづらく感じた。また、戦闘で使用できるのは多くて十数人なのと、後から入ってくるキャラクターがあからさまに強く、最初の方のキャラクターなど、どうしても使用しないキャラが出てきてしまった。
仲間になるタイミングも3人セットで同時が多く、もう少し少なくてもよかったのでは、という感じもした。
一部の戦闘システムの難しさ、そのあたりのUIフローの見づらさ
FEのシリーズファンなら常識なのかもしれないが、戦闘で2回攻撃(追撃)することがある条件がよくわからなかった。(多分速さが関係しているが、戦闘中に2回攻撃できるかどうかを数値だけで見極めるのは難しく感じた)
- 速さというステータスがあり、それによって追撃できるかどうか決まる
- 武器には重さがあり、重さが自分の体格の数値を超えた分だけ速さが下がる
恐らく上記のような仕様だと思うのだが、以下の不満点があった。
- 重さの概念やクリティカル率により完全上位互換となる武器がほぼないが、それにしてはキャラクターが持てる武器の数が少ないので武器の選択が難しい(結局相手による、になってしまう)
- UIが見づらく、キャラクターのステータスを見ながらじっくり武器を選んだり強化したりする、ということがやりづらい
あまり不満に感じない人もいそうだが、個人的にはこのあたりのシステムは非常に難しく、ストレスに感じてしまった。
支援会話、絆会話
まず、支援会話、絆会話の内容が薄く感じた。特に絆会話はお互いが一言ずつ話して終わり、レベルの内容だったので、ほぼ意味がないように思えた。
また、先ほどのキャラクターの多さに起因する話だが、戦闘に出せるキャラクターが限られているためどうしても支援値がたまらないキャラクターが多く、通常プレイだと半分以上のキャラクターの支援会話が見れないためもったいなく感じた。(周回プレイもできないのでストーリーを追っているだけだとすべての支援会話を見るのはほぼ不可能)
ロード時間の長さ
ソラネルという拠点のようなマップがあるのだが、このあたりのロード時間が長いのが気になった。
特にソラネルでしかできない、鍛錬と紋章士のスキル継承というシステムがあるのだが、これはそれぞれソラネル内の鍛錬の間と紋章士の間という場所でしかできず、さらにこのそれぞれの間は行き来するのにさらにけっこうな時間のロードが入るためかなりめんどくさく感じた。
総評
ストーリーや戦闘システム自体は面白かった一方、キャラクターの育成周りで不便なところが多かったり、キャラクターへ愛着を持たせるという面では失敗していたように感じた。
また、前作「風花雪月」に比べると戦闘や演出周りなどはよくなった部分もあるが、ストーリーやキャラクター周りはどうしても劣ると思われてしまうかもしれない。
それでも一応最後まで熱中してプレイすることはできたので、シミュレーションRPG好き、王道のストーリーが好きな方にはおすすめできる作品。
【個人的評価】88