同スタジオの作品『ELDEN RING』をベースとしたスピンオフ作品。
『ELDEN RING』とは異なるゲームシステムで新しい体験が楽しめる。
エルデンリング的なアクションはそのままに、ゲーム進行としてはローグライクな作り。
毎プレイごとにレベルや装備を一から強化していき、その周回のボスを撃破するのが目標になる。
さらに3人でのマルチプレイを前提としており、協力して敵を倒していくことを想定したバランスとなっている。
プレイ時間
3人マルチ(通話あり)で12時間ほど。
『ELDEN RING』本編はプレイ済み。
良かった点
戦闘の楽しさ
ダークソウルシリーズに登場したボスが出現するなど戦闘の楽しさは安定感がある。
今作で新登場のボスもやりごたえがあり、3人マルチでも倒せるかどうか絶妙な難易度なのがよかった。
気になった点
あらゆる面で不親切
ゲームシステムが比較的複雑であり、さらにその情報はゲームの中で説明されないことが多い。
(情報があったとしても自分で参照しに行く必要がある)
装備パラメータやマップの見方、消費アイテムの効果など、初見では分かりにくい部分も多々ある。
そのほか、頻繁に使用するものであるスキルやアーツの操作がボタン同時押しで難しかったり、マップも高低差が激しく把握しづらい。
総じて、理解するまでの部分でどうしても遊びにくさを感じた。
また、『ELDEN RING』本編の経験者でもすぐに馴染めるとは限らず、
基本操作や一部のシステムが異なり意外と覚えることが多いのも難しいところ。
システム面での相性の悪さ
前述のシステムの分かりにくさに拍車をかけているのが時間に追われるゲーム性である。
『ELDEN RING』本編だと装備の効果を見たり、どの装備を付けるかどうかをじっくり考えられるが、今作は時間制限のある中でできるだけプレイヤーを強化するというリアルタイムなゲーム性のため、じっくり考えることが難しい。
今作には装備やアイテムの所持上限があり、本来は効果を確認しつつ取捨選択をしたいが、時間に追われるゲーム性がそれを難しくしている。
ほぼすべての情報が頭に入っているレベルでゲームに慣れたときに、初めて100%戦略の遊びを楽しむことができるというのは少しもったいなく感じる。
マップに関しても同様で、マップの情報をじっくり見ながらどこへ行くかの戦略を立てたいがその間にも刻一刻と時間は迫っておりベストなプレイからは遠ざかっていく。
さらに言うとこのゲームはマルチ前提、もっと言えば集団で動くことが前提のゲームであるため、他プレイヤーを待たせたくないという気持ちがさらに戦略を立てる遊びを阻害しているのではないかと感じた。
ミスをすると挽回が難しい
1度死亡したとき、死んだ場所まで戻れば挽回可能であるが、そもそも戦略的にそこに戻るのが効率的でなかったり、雨に巻き込まれた場合はそもそも戻れずに回収できないことも多い。
その時点ですでにベストなプレイからはかけ離れてしまうため、その周回のボス攻略が厳しいと感じてしまい、かなりモチベーションを下げてしまう。
ソロプレイならやり直す選択を簡単に取れるが、マルチプレイでは最後まで全力を尽くすことを強制されるためもどかしい気持ちになる。
総評
あらゆる情報をもとに取捨選択をしたり戦略を立てたりする必要があるが、
時間も気にしないといけないという相性の悪さが拭いきれない。
ゲーム内での説明が少なくシステムが理解しづらいのも残念なところ。
『ELDEN RING』本編経験者であっても、慣れるまでがあまりにも遊びにくいゲーム。
【個人的評価】86